筋トレは、筋肉を鍛えたり増やすためのトレーニングです。

一般的には、筋トレをするとパワーが増えてパフォーマンスアップに繋がると考えられているように思います。

もちろん、私は、そんなことは考えていませんw

別に私の考えが正しいとかそういう話ではないのでそこは誤解なきように。

筋トレの弊害

どう考えているかというと、筋トレはパフォーマンスアップに繋がるというよりは、パフォーマンス自体は悪くなるのではないかとさえ思っています。

筋肉は確かに発達している方がより大きなパワーを発揮できます。

しかし、パワーがあればいいかというとそうでもないわけです。

筋トレでパフォーマンスが上がるのならあらゆるスポーツでボディビルダーがトップ選手に慣れる筈なんですが、実際にはそんな選手はいません、なんて話は嫌と言うほど聞きますね。

このあたりのことは感覚的には分かっているのですが、うまく表現できないなぁと思っていたのですが、twitterで甲野善紀さんがツイートしているのを見て共感してしたので、紹介してみます。

すこし、途中を端折ったので、わかりにくく感じる人もいるかもしれませんが、私なりにまとめてみます。

筋トレは、例えば広背筋を鍛えたければ広背筋を意識して使う必要があります。従って、プルダウンや懸垂をする時には意図的に肩甲骨を寄せて広背筋に刺激がいくように、もっといえば広背筋だけを動かし、広背筋以外は一切使わないような動作が理想です。

ところが、実際のスポーツの中では、広背筋を使うスポーツであったとしてもそれは結果的に使うのであって、広背筋だけを使うということはないでしょう。

しかしながら、筋トレで広背筋を鍛えていると、広背筋ばかりを使ってしまう動きが身についてしまう可能性が高いのです。
本来なら広背筋は少しだけ使って楽に動作できる筈なのに、広背筋ばかり使ってしまう動きをしてしまうわけです。

筋肉を使わない身体の動き

例えば水泳の場合、プル動作の時に、腕や身体に力を入れて動作するよりは、あまり力を入れて動作する方が、心拍数は上がらず楽に泳げます。もし、タイムが同じなら後者の方がいいに決まっています。

そして、あまり力を入れずに動作する方法というのは、筋肉は基本的には緩ませておき、瞬間的に力を入れるように動かします。初動負荷的な動作です。

このような動かし方であればさほど筋力は必要ありません。ただし、初動負荷的な動作であってもプル動作の間中ずっと負荷は多少なりともかかっていますから、筋肉は発達します。

前者の場合は、とにかく腕力や背筋力などの筋力に頼りますから、プル動作で腕はパンプアップしてしまったりするでしょう。

では、どうすればそれを改善できるのかと考えると、もっと筋力をアップしておけば身体に対する負荷は下がると考えられますので、そこで登場するのが筋トレですね。

しかし、筋トレというのは、筋肉に負荷をかけるのが目的です。しかし、速く泳ぐには筋肉に負荷をできるだけかけずに動かしたいのです。ここに矛盾があります。

腕の筋トレをする場合、腕に負荷がかかるような動きをしますが、プル動作の場合は、できるだけ腕だけではなく、背筋や大胸筋、もっというと重力と体重を使った動きを利用したいのです。

すなわち、筋トレは全く逆の動きを練習していることになるのです。
単純に、筋力がアップするのであれば問題ないのですが、筋トレによって動作に変な癖がつくのが最大の問題点です。

プロ選手と初心者の筋トレの違い

それでも、プロ選手が筋トレする場合を考えてみますと、彼らは基本的に競技における動作はマスターしています。従って少々筋トレをしたところで実際の競技の時に無駄に力を入れてしまう可能性はそんなに高くないだろうと想像できます。

しかし、これが初心者の場合はちょっとやっかいです。

そもそもどうすれば効率よく動けるかが分かっていないのですから、筋トレで筋力がアップするとドンドン力任せの動きをしてしまうでしょう。

そして更にやっかいなことにそうすれば一時的には速くなるのです。ただし、速くなりますが限界が早く訪れます。それは上述した身体の使い方が下手クソになる影響です。

すなわち、トップ選手を目指しているのであれば、ここは我慢しなくてはならないところです。もし仮に、トップ選手を目指していなくて力任せでもいいと思っているのならばドンドン筋トレすればいいのでしょう。

しかし、それなりにリスクを背負っていると考えておく必要はあるでしょう。

筋肉は鍛えて大きくするものではなくて、勝手に大きくなるべきものです。

また、筋肉は最大の大きさを記憶しているといわれています。従って、一度怪我などで筋肉が大幅に減った際に筋トレして筋肉を元の大きさに戻すという方法はとても効果的でしょう。
しかし、スポーツのために筋力の最大化を目的に筋トレするのは、かなりリスクを伴うのだと考えておいた方が良さそうです。

筋肉の発達は結果に過ぎない

しかし、筋トレの誘惑は多いです。

筋トレすると、何より格好いい身体になる。一瞬速くなる。強くなる。

いうなれば、見た目だけはトップ選手に近づけるのです。

大事なのポイントは、トップ選手の身体が筋トレによって作り上げられたものではなくて、筋肉をできるだけ使わないで動かしているにもかかわらず筋肉が発達していることです。

筋肉の大きさは、あくまでも結果なのです。

ここに大きな違いがあります。10の力を発揮する筋肉がある人が、10の筋肉に頼った動きをすると10の力しか発揮できませんが、筋力に頼らない動きをしているにもかかわらず10の力を使っているとしたら、後者の出力は前者よりもかなり大きいと想像できます。

これも筋トレの落とし穴ではないかと考えています。

見た目だけを真似して筋トレして、トップ選手に近づいたと考えるのはいかかがなものでしょうか。

むしろ、筋トレせずに、専門種目のトレーニングを積み重ねることによって筋肉がトップ選手のようになる方がいいでしょう。

もっといえば、筋肉は全然発達していないのに、何故か速い、強い選手になれればもっといいと思わないでしょうか。

私の目指すべきところは、そこなんですが、何分、限られた時間の中で、それができるか否かという最大の問題がありますね。

更新日:2018/09/01 0:26:01

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